ご挨拶

今年度も、日本生態学会関東地区会のご支援を頂き、2025年2月16日(日曜日)にハイブリッド形式にて第45回の発表会を開催する運びとなりました。本発表会は、1980年から毎年開催されてきた歴史ある研究発表会で、生態学やそれに関連する分野の修士課程を修了する大学院生が、自らの研究について発表し議論を交わす場となっています。毎年、関東地区を中心に各地から学生が集い、研究材料や専攻の異なる方々との交流を通して、分野を横断した多角的な意見交換が行われます。今年度も、修士課程を修了する皆様による口頭発表に加え、学部4年生の卒業研究や修士課程1年生の研究経過を発表する場としてポスター発表を同時開催致します。こちらは、発表会後の懇親会内にて開催する予定です。本年度の発表会も、様々な分野で活躍される方と交流を深められる場にできればと存じておりますので、発表者としての学生は勿論のこと、先生方や企業所属の方まで多くの方にご来場をいただけますと幸いです。本発表会には、日本生態学会の会員・非会員に関わらずご参加いただけます。皆様におかれましては、周囲の学生への周知をお願いいたしますとともに、当日のご参加を心よりお待ちしております。

第45回 関東地区生態学関係修論文発表会 実行委員会
委員長 竹中浩貴

日程・場所

日時:2025年2月16日 (日曜日)

場所:東京大学大気海洋研究所 (聴講のみハイブリッド開催)

徒歩
柏の葉キャンパス駅、江戸川台駅から徒歩約30分程度

バス
柏の葉キャンパス駅、江戸川台駅、流山おおたかの森駅、柏駅からバスが出ています。大気海洋研究所の最寄りのバス停は「東大西」あるいは「東大西門前」となります。柏の葉キャンパス駅・江戸川台駅からは10~15分程度、流山おおたかの森駅からは20分程度、柏駅からは30分程度

お知らせ

2024/11/05 第45回関東地区生態学関係修士論文発表会のホームページを公開しました。

招待講演

酒井理 博士

東京農工大学

演題 「動物の個性を理解する:その歴史と発達形成の観点から」

自己紹介・研究概要

爬虫類・両生類を主な対象動物として、野外観察と飼育実験を組み合わせつつ動物行動学の研究を展開している。京都大学大学院理学研究科で博士号を取得後、JSPS海外特別研究員としてカリフォルニア大学デイビス校で過ごす。現在は、学振特別研究員(PD)として東京農工大学に所属している。

動物行動学のトピックの中でも「個性」に興味を抱き、学生時代は単為生殖をするオガサワラヤモリに着目して「発達を通してクローン集団に多様性が形成されるメカニズム」を解明してきた。ポスドクとしてのキャリアでは、タイヘイヨウアマガエルを対象として「ストレス曝露が駆動する個性の創出と消失」を解明してきた。これらの研究を通して、個性形成に寄与する後天的要因の重要性に気付き、発達を通して増減する個体差の生態学的意義の探求を目指している。

別の展開として、基礎研究のエッセンスを応用面に取り入れる試みも意識している。具体的には、外来動物管理において行動学と個性研究の知見を活かすことを目標に掲げ、グリーアノールに対するトラップを開発している。対象動物の繁殖ディスプレイを模倣したロボットを開発し、個体ごとの性質を考慮しながらその誘引効果を検証し、効率的な防除対策への貢献を目指している。

ポスター